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地下室・2×6・輸入住宅「フローレンスガーデン」をご紹介。フローレンスガーデンは住宅メーカーとして常に新しいの発想でワンランク上の「住みがい」を追求し続けています。


by tsujino777
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次代に引き継ぐ「家族の絆」と「智慧」

性格・健康・成績を左右する生活習慣

 子どもたちをめぐる問題は数多くありますが特に、校内暴力、登校拒否、中途退学、いじめなどは大きな社会問題になっています。もちろん基本的には日本社会全体のさまざまな諸要因によるゆがみの反映とも言えるのでしょうが、子どもたちが育っていく家庭、その家庭生活の器である「住まい」の貧しさが問題の一つの原因なのです。では、日本の住居の現状は子どもたちにどんな影響を与えているのでしょうか。大変に貴重なデータを紹介しますと、注目すべき一つは子どもたちの生活習慣の持っている人間形成への影響の大きさです。朝、洗顔をする。朝食をとる。排便をする。これらがきちんとできているかどうかが子どもの人間形成に大きく影響していることがわかりました。 
 毎朝の生活習慣ができていることは、起床から登校までの短い時間を自分でコントロールする生活の自立(律)性が身についているということなのです。また、洗顔・朝食・排便をきちんとするには、時間的にも余裕があって、あわてて家を出る必要がない。この三つをほとんどしないか、ときどきしかしないという子どもは、情操という点で問題をかかえる場合が多いようです。
 どのように問題があらわれるのかというと、例えば「依存的性格」です。依存的性格というのは、整理整頓ができない、すぐ人に頼る、忘れものをする、社会性がない、自己表現ができない、無感動、学校不適応症、登校拒否、友だちと遊べない、等々です。

『住居の状態』は子どもの成長と発達を決定する

 子どもたちの家庭での生活行動が住居の状態から直接どのような影響を受けているのかを、「子どもと住居」の関係という視点から分析・考察してみると、例えば毎朝、排便しようとしても専用のトイレが一ヵ所しかないという理由で排便をしないで登校しがちになる。寒いので洗顔が億劫になる。家が狭いと家族といつも一緒にいることが多く、誰かがテレビを見ていると惰性的に見せられ睡眠不足になる。また、自然環境が消え去り、外で遊ぶことができないと、家のなかに閉じこもりテレビゲームに時間を費やすということにもなる。といった生活習慣と住居との関係があります。
 また、子どもは家族の一員である、親や兄弟姉妹の存在は子どもに大きな影響を与えるでしょうし、遠距離通勤・長時間労働で親が家にいなければ家族団欒・親との対話は成り立たない。親の生活や精神状態も今日の社会ではさまざまな面から影響を受けていますが、住宅事情は最も大きな要因であり、家族が住居の状態から受けている影響が子どもに反映していることも見逃せません。さらに、さまざまな住まいのなかで、それぞれの家族はその努力によって「家族文化」ともいうべきその家庭固有の生活様式をつくりだし、好むと好まざるとに関わらず子どもの成長・発達に大きな影響を与えているのです。子どもの生活習慣のなかで家事手伝いなどは、家族の日々の生活のなかでつくられる家庭文化のありように作用していると言えます。
 もちろん住居の状態が一義的に子どもの心身や生活の状態を左右しているわけではなく、学校での生活、社会状況、個人的資質等も大きく作用しています。このように、これまでに見られる住居と子どもの家庭生活についての調査結果は、子どもの成長・発達にとって住環境がどれほど大切な存在であるかということをはっきり示していると言えます。

               (参考文献:「安心思想の住まい学」 早川和男著、三五館)

 
by tsujino777 | 2007-11-22 15:04 | 家づくり